* 猟銃の発射音が聞えた。北野の高台のほうからだった。たしかに聞えたはずだのに、だれも110番に電話をしないようだった。とはいえ、おれもしなかった。猪でも撃ったのかも知れない。時間は10時半、すっかり明るくなった陽差しのなかで、おれは窓をあけ、そとを確かめる。歩いてる人間はない。生きてる人間もない。この世が地獄や煉獄と地つづきだってことをおもい知らされる。どうしておれがこの場所に存在してて、別の場所にはないのかどうかってことを考えてみる。たわいもない戯れごとだ。やることがない。とりあえず、インディー雑誌をだしてる某氏にメールを送った。出版物、その販売ルートの確保について助言を乞うた。おれはもう…