『いけない』(道尾秀介,文藝春秋,2022年8月20日)を読了。 ランキング参加中読書 言葉を知らず,世の中のことも何一つ知らず,どうして彼らは不安をおぼえないのだろう。どうしてこんなに,底の浅い気楽さを剥き出しにしていられるのだろう。(p. 41) 言葉を知らず,世の中のことも何一つ知らない彼らは,私の周りにもいる。 訪問,訪問,反応待ち。訪問,訪問,反応待ち。これがいちばん効率的だというのが宮下の持論だった。(p. 68) 相手を落とすのには,リズムが必要。 いや,捨てたのではない。守ったのだ。こうであると信じていた自分の世界を守った。違う,こうであってほしいと願う世界に,本当の世界を近づ…