自分が自分らしく生きるための問い 『いのちの女たちへ - 取り乱しウーマン・リブ論』新版は、1972年に刊行された田中美津氏による同タイトルの著作に資料やその後の著者などからのコメント、あとがきなどを書き加えた新装版です。日本のウーマンリブ運動の旗手である著者が、その原体験から活動に向かっていく紆余曲折を「取り乱し」つつ、さらけ出した本書ですが、オリジナルが出版されてから半世紀近くたっても、その息づかいやメッセージは読み手の感情を強く揺さぶります。 ■「取り乱し」 タイトルにあるように、この本の大きなテーマで最大の特徴の1つは「取り乱し」です。語るように、吐き出すように紡がれる本書の言葉はクセ…