本居宣長が描いた古学の入門書。古事記をはじめとした古学への取り組み姿勢や方法論などを初学者に向けて解説している本だが、古学を志す人でなくても一読すると様々な示唆が得られる内容だ。 国学で名を残した超一流学者の指南本であるため、随所につい膝を打ちたくなるような指摘が散りばめられているが、今回は特に僕が注目したいポイントを2点取り上げたい。 1つ目は、本居宣長が示すプロフェッショナリズムである。初学者向けとはいえ、古学へ本気で取り組む人に向けて書いた本であるから、プロの取り組み姿勢を真正面からぶつけている。例えば以下のような言葉がある。 …どういう分野の学問をやるかは、他人がこれと押し付けることは…