展覧会『黒川弘毅展』を鑑賞しての備忘録コバヤシ画廊にて、2022年6月6日~18日。 「eros」と題された人の形をしたブロンズ彫刻のシリーズ7点を中心とした、黒川弘毅の彫刻展。 金あるいは銀の艶やかな表面を持つ、頭・胴・腕・脚から成る人間の身体を模した彫刻は、右側ないし左側に傾きつつ自立する。いずれも高さが1メートルに満たないのは、ギリシャ神話のエロースがキューピッドと呼ばれる幼児のように表わされたことを踏まえている可能性もあるが、身体のバランスは幼児のものとは異なる。目・鼻・口・耳など顔の部位や手足の指などは表わされず、左右で長さが大きく異なる腕は袖が広い服を纏うように先が広がるなど、デフ…