『完訳グリム童話集(二)金田鬼一訳』その38 『おくさま狐の御婚礼〈KHM38〉』 【あらすじ(要約)】 一番目の話 昔、尻尾の九本ある古狐がいました。 古狐は妻が心変わりしたのではと疑い、試してみることにしました。 古狐は、まるで殺された鼠のように死んだふりをしていました。 奥様狐は自分の部屋に閉じこもり、女中の嬢さん猫は煮物をしていました。 やがて、古狐が死んだと知れると、大勢の求婚者たちが現れました。 女中は誰かが戸を叩いているのを聞きつけ、戸を開けてみると、若い狐がいて「何をしているの?嬢さん猫ちゃん。寝てるの?」と言いました。 「寝てないわ。ビールを煮えたてて、バターを中へ入れてるの…