「おはなをあげる」は、文字のない絵本です。父親と買いものをした帰りに、道端で花を見つけた女の子。ひとつ見つけると、次から次へと、花が目に入るようになります。片手にいっぱいになった花は、道すがら出合っただれかへのプレゼントに。女の子が花をあげることで、モノクロだった風景がしだいに色味を増していきます。外国の街並みが素敵。みんなに花をあげてしまったあとは、自分の髪に花を飾ります。花を見つけて、自分だけで持っているだけではなくだれかにあげる、自分にもあげるという一連の行為の尊さがにじみ出るようなタッチの絵が美しいです。そうありたいと思わせてくれます。ほとんど現代的なものが登場しない絵本のなかで目立つ…