ある大学から、最寄駅へと国文学者のF先生と向かっていた。 空地に黄色い草花が咲いている。暑い!!!少し風が吹いた時、 F「お! 『をみなへし秋の野風にうち靡き心ひとつをたれに寄すらむ』(藤原時平) ですねぇ」 私「え・・・???」 F「はは・・・急に言っても分かりませんよね。 あの黄色いやつ『女郎花』なんですよね」 私「えぇ・・・」 F「おみなえしって、秋に咲くでしょ。 昔から美人をあらわす・・・いわば象徴なんですよね。 『をみな』って『をんな(女)』の昔の言い方で、 とくに美人をあらわすことばだとされたんですね。 その『をみな』を『へし』する、漢字だと圧(へし)と書いて圧する、 つまり美人を…