書名:おらおらでひとりいぐも 著者:若竹千佐子 出版社:河出文庫 出版年:2020年 主人公は後期高齢者になるのが間近の74歳の老女です。故郷の東北を離れて50年になります。夫とは恋愛結婚し31年間暮らしましたが、心筋梗塞で先立たれました。愛だ恋だというのが借り物の言葉でしかないくらい、惚れて惚れ抜いた夫に尽くしました。娘と息子の二人の子供に恵まれました。 娘は、野菜はあるか、米はあるか、などと世話を焼きますが、「お金貸してくれない」とも言ってきます。息子は「もうおれにのしかからないで」と言って家を出ていきます。結局、二人の子供とは疎遠になります。 ひとり暮らしをするうちに、生、死、愛、孤独、…