まだ大学生だった頃。お盆の時期に帰省した。 着いた翌日の早朝にお墓参りに行くよ、と母に言われていた。 実家までは長旅なのでその朝は疲れていて起きられなかった。 お墓は敷地内の少し離れたところにあるのでいつでも行けるし、 布団の中から「後で一人で行く」と母に伝えた。 1時間くらいで起きたけれど、お墓参りに乗り気がしない。 先に犬の散歩に行きたい。 私は実家の当時飼っていたウェルシュコーギーとの散歩が大好きだった。 コーギーとの散歩は必ず家を出て、左手の坂を駆け上がって行くのが通例だった。 いつもならコーギーはワクワクした顔で、坂まで一緒に猛ダッシュする。 リードをつけて歩こうとしたらコーギーが怪…