仕事が一区切りつき、ぬるいコーヒーを飲みながら東ハトのハーベストをかじっていた時のことである。 仕事部屋(兼寝室)のドアが少し開き、室内の僕が休憩していることを確認するくらいの間が開いた後、娘が「ちょっといい?」と言いながら入ってきて、僕のお菓子置き場から勝手にハーベストを出しつつ、こんなことを言ったのであった。 「お父さん、私、このままだとペチャパイ人生かもしれないや」 そう言い終わると同時に娘はハーベストをざくざくと食べ始めたのだが、その瞳からは、試練を受け入れる者が発する鈍い光が感じ取れた。親子とはそういうものだ。 仕事の合間の休憩時間に聞く「ペチャパイ」という単語はなんとも耳に新鮮で、…