明け方夢の中で、食べたい物が出て来た。 きくらげを使ったスープ。 「代替のインスタントではダメだ」 「しっかり作りたい」 今日は何故か見ていた夢をはっきり覚えている。少し不思議だ。 夢の中で手順まで出てきて段々と目も覚めて来た。そう思っている内に起きる時間になり、スマホアラームで起こされる前に起き上がった。 午前6時。薄暗いキッチンに、微かな冷気が漂っている。 静まり返った家の中、聞こえるのは冷蔵庫の低く規則的なブーンという駆動音だけだ。 妻と、大学生の子供ふたりはまだそれぞれの部屋で夢の中にいる。彼らが起きてくるまでのこの30分ほどが、自分にとってのささやかで贅沢な一人時間でもある。 「さあ…