【書】『おくのほそ道』94(かゞの国3)(No.1,952) 「此所太田の神社に詣。実盛が甲、錦の切あり。往昔、源氏に属せし時。義朝公より給はらせ給とかや。げにも平士のものにあらず。目庇より吹返しまで、菊から草のほりもの金をちりばめ、龍頭に鍬形打たり。実盛討死の後、木曾義仲願状にそへて、此社にこめられ侍よし、樋口の次郎が使せし事共。まのあたり縁起にみえたり。 むざんやな甲の下のきりぎりす 」(訳:この小松にある太田神社に参詣した。この神社には、斎藤別当実盛の遺品がある、兜や錦の直垂の一部が所蔵されている。その昔、源氏に仕えていたころ、義朝公からくだされたものだとか、なるほど、なみの武士の持ち物…