ポリティカル・コレクトネスかまびすしい昨今です。 「ぶす」という言葉。口ずさむのも憚られることがあろうかと思います。即、「炎上」しかねないNGワード。テレビやラジオなどのマスメディアをはじめ、SNSなど不特定多数の視聴者・読者に届いてしまう場ではなおのことそう。 でも、西さんの本作。のっけの帯に「ぶす」の言葉遣い。うほ。 世間へおもねることなく、軽やかに私の心配を飛び越えていってしまいました。清々しいまでの潔さです。 ひとこと 相変わらずの西ワールド。テンポよい関西弁で独自の世界観が展開されます。猫、兼、語り部たるラムセス2世もいい味を出しています。 あらすじ いわゆる「ぶす」であるきりこが、…