くりまさるは、山口県山口市阿知須町特産のかぼちゃの品種。
栗より糖度が高いということでその名前がついた。加えて、肉厚で濃厚な味わいにほっくりとした食感、煮崩れしにくいといった特徴から、家庭での料理はもちろん、和・洋菓子の材料としても重宝された。
瀬戸内海に面し、温暖な気候と粘質で水はけのよい土壌に恵まれた山口市阿知須地域では、昔からカボチャ栽培が盛んに行われてきたが、1995年、「他産地にはない品種で消費者に選ばれる質の高いカボチャを作ろう」とカボチャの産地化の取組みが始まった。
従来の品種に比べて収量が少ないことや栽培管理が難しいことなどから、当初産地化の取組みについては組合員からの反対意見もあったが、苗の植え付け時期から肥料のやり方、出荷方法に至るまで地域の特性に合わせた栽培計画を作り、毎年改良を重ねてきた結果、2002年頃から市場で品質の優れたカボチャとして高い評価を得られるようになった。
なお、JA山口宇部カボチャ生産組合が生産した「くりまさる」のうち、決められた栽培基準を守って生産され、JA 阿知須集出荷場に集荷され専門検査員の検査を通ったものだけが「阿知須くりまさる」として出荷される。