1 はじめに 2 地域の向こう側 3 他愛もないエピソード 4 高田三郎の視点 5 最後に 1 はじめに まだ知らない世界への憧憬。 「風の又三郎」の読後感を表すとこうなります。 この小説は,小学生か中学生の頃読んでいます。 しかし,たいした印象は残りませんでした。 風が強かったここ数日,ふと思い出して読んでみたのです。 今回は,その感想です。 2 地域の向こう側 「うな」 再読して,この方言に目が止まりました。 これは「あなた」という意味の乱暴な言い方です。 敬意をこめてはいません。 子どもの頃,普通に使っていた言葉でした。 作中会話の中に出てきて,ああと時代感がよみがえってきました。 もち…