裏のおばあちゃんはいつも家の角に座っていた。大きいといえば大きいけれども座るには小さな高さ20cmほどの石。うちの裏玄関(家族用)をでると必ず出会うところなので、挨拶は、する。けれどもそれが返ってくるかどうかはおばあちゃん次第。ほとんど意味のあることを話すことはなく、ただ朝から暗くなるまで、そこに座っていた。なので子どもな私は。どうにも相手がいないときにおばあちゃんのそばで過ごすこともあった。小さな小さなおばあちゃんは、ひょっとしたらほとんどお地蔵様のようにそこでにこにこしていたから。 このおばあちゃんのお葬式、が、私にとって初めてのお葬式。 その日は良い天気だった。おばあちゃんの親戚筋の子ど…