路傍の実シリーズ「ピラカンサ」。筑後川河川敷をクロスバイクで疾走したり、よそんちの季節の花を求めてのんびり徘徊していた頃が懐かしい。今は暇なようでそんな暇は無い。急な買物を済ませて家路を急いでいた。聖マリア病院の正面の一角はちょっとした木立になっていて、そこから鋪道に向かって真っ赤な鮮やか過ぎる実が、これでもかというほどたわわに実って舗道側に迫り出していた。短いその木のトンネルを抜けかかったのだけど、後髪を引かれてちょっとだけ後戻りした。風に揺られそよぐのを一瞬だけ待って、たったの一枚だけスマホに切り取った。そそくさと立ち去ろうとして、背後に何か確かな気配を感じて振り返ると、一人の女性が同じよ…