1991年から1993年にかけて刊行された文庫サイズでの日本文学全集。
全50巻の予定だったが、10巻が追加刊行された。
編集協力は鶴見俊輔・森毅・池内紀・安野光雅・井上ひさし。安野は装画も担当した。(「文学の絵本」にまとめられている)
巻 | 作家 | 解説 | 帯コピー |
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25 | 森鴎外 | 安野光雅 | 恋ふるゆゑに恋ふるとこそ聞け |
37 | 正岡子規 | 天野祐吉 | 宇宙はわれに在り。 |
23 | 夏目漱石 | 奥本大三郎 | 別るるや夢一筋の天の川 |
27 | 幸田露伴 | 松山巖 | よし突貫してこの逆境を出でむ |
41 | 樋口一葉 | 井上ひさし | ままならぬこそ浮世なりけり |
57 | 岡本綺堂 | 杉浦日向子 | 大江戸の巷から消えて行った… |
49 | 島崎藤村 | 高田宏 | 御一新がこんなことでいいのか |
17 | 泉鏡花 | 紀田順一郎 | 肉は燃える、血は冷える。 |
33 | 柳田國男 | 南伸坊 | 隠れた現実の方が遙かに物深い |
35 | 寺田寅彦 | 藤森照信 | 事象は滅茶苦茶には起こらない。 |
31 | 永井荷風 | 小沢信男 | 世の中はどうでも勝手に棕櫚箒 |
43 | 志賀直哉 | 村松友視 | 自分に何の恥ずるところがある。 |
29 | 中勘助 | 串田孫一 | はるかなる昔を今に |
11 | 石川啄木 | 関川夏央 | 空に吸はれし十五のこころ |
18 | 萩原朔太郎 | 荒川洋治 | 飛べよかし! 飛べよかし! |
7 | 谷崎潤一郎 | 杉本秀太郎 | 恍惚として項を垂れ…… |
59 | 折口信夫 | 小松和彦 | 神ここに生れたまへり。 |
21 | 菊池寛 | 井上ひさし | 頓着は一切無用じゃ。 |
22 | 夢野久作 | なだいなだ | わが胸に邪悪の森あり |
26 | 岡本かの子 | 工藤美代子 | いよよ華やぐいのちなりけり |
5 | 内田百間*1 | 赤瀬川原平 | 貧に処して天をうらみず。 |
50 | 白井喬二 | 池内紀 | 富士のみはすべてを見通すか |
1 | 芥川龍之介 | 安野光雅 | 人生は死に至る戦いなり |
13 | 佐藤春夫 | 川本三郎 | しんじつこひしきものゆゑに |
19 | 江戸川乱歩 | 島田雅彦 | 身の毛もよだつ五彩のオーロラ |
9 | 金子光晴 | 茨木のり子 | いのちもたまゆら。 |
3 | 宮沢賢治 | 井上ひさし | こんや銀河と森とのまつり |
20 | 尾崎翠 | 矢川澄子 | 今晩蘇が恋をはじめたんだよ。 |
38 | 大佛次郎 | 鎌田慧 | まず生きてみることである。 |
47 | 川端康成 | 須賀敦子 | 魔が通りかかって山を鳴らし… |
30 | 石川淳 | 種村季弘 | ほい、まだ地上に生きていたか。 |
15 | 稲垣足穂 | 佐々木マキ | お月様はまぎれもなく三角なんだ。 |
24 | 梶井基次郎 | 群ようこ | あああ大きな落日が見たい |
58 | 渡辺一夫 | 鶴見俊輔 | 寛容は結局不寛容に勝つ。 |
48 | 海音寺潮五郎 | 目黒考二 | 誰じゃとて、意地は通したい。 |
39 | 中野重治 | 加藤典洋 | 雨は君らの熱い頬にきえる |
45 | 林芙美子 | 田辺聖子 | あヽ二十五の女心の痛みかな |
55 | 中野好夫 | 四方田犬彦 | 聡明な悪人こそは地の塩である。 |
28 | 堀辰雄 | 池内紀 | 風立ちぬ、いざ生きやめも。 |
40 | 木山捷平 | 東海林さだお | 相も変わらずぶらぶらと…… |
51 | 幸田文 | 安野光雅 | 木と人、人と人、いろんな緑 |
6 | 坂口安吾 | 鶴見俊輔 | 生きよ、堕ちよ |
53 | 宮本常一 | 石牟礼道子 | 人生の火は愛情に外ならない |
36 | 中島敦 | 池澤夏樹 | 天は何を見ているのだ。 |
4 | 太宰治 | 長部日出雄 | 惚れたが悪いか |
60 | 花田清輝 | 河合隼雄 | 醒めながら眠り、眠りながら醒める。 |
46 | 長谷川四郎 | 鶴見俊輔 | おかし男 詩人だった |
34 | 大岡昇平 | 森毅 | 太陽はどこにいる。 |
42 | 武田泰淳 | 鶴見俊輔 | 滅亡は生存するすべてのものに |
54 | 織田作之助 | 多田道太郎 | 流れ流れて仮寝の宿に |
56 | 富士正晴 | 森毅 | こんなもんじゃよ、世の中はなあ |
52 | 深沢七郎 | 中沢新一 | ちょっと一服、冥土の道草 |
44 | 梅崎春生 | 中野翠 | 死ぬまでは生きて行こう |
32 | 島尾敏雄 | 田中美代子 | 仮借なく海はふくれ上ってきた。 |
16 | 福永武彦 | 菅野昭正 | 夜の死者の復す最後の歌 |
12 | 三島由紀夫 | 森毅 | 今ここに在ることの永遠を… |
14 | 澁澤龍彦 | 養老孟司 | 肉体は一個のオブジェである。 |
8 | 色川武大 | 和田誠 | 私は何故かいつも悔いている。 |
10 | 開高健 | 大岡玲 | 情熱は暗い迷妄だ。 |
2 | 寺山修司 | 池内紀 | 誰か故郷を思はざる |
*1:正しくは門がまえに月