収容所から来た手紙 辺見じゅん著 (文春文庫)シビリア抑留者の話。これまで全く関わってこなかったジャンルのものを読んでみたくて手に取った。ニノで映画化されるらしい。※追記ケンティーも出るんだね!まずは収容所=ラーゲリの過酷さに圧倒される。凄絶とまとめるには到底、倒れていった者たちの辛苦を語りきれないほど。体力的にも精神的にもいっそ生きる方が辛いと錯覚するようになってしまうような日々。そんな中でも主人公山本は帰国(ダモイ)を信じ、お手製の新聞を作ったり、句会を主催したり、同人誌を発行したりと創作活動を通してラーゲリの収容仲間たちを鼓舞し続けた。彼にとって創作とは折れない杖だ。絶対にダモイの日を迎…