はじめに、ベルクソンは、'無'とは有(=なんらかの存在のあること)の否定だと言いました。さらに、有とは、無になにかを足し合わせることでない、とも言っていますが、これは間違い・誤りです。 ベルクソンは、無とは、それ自身を直接に規定することはできず、無は"有の否定"でこそ得られるため、有よりも複雑な観念であるとも言っています。 ここで、'有(=なんらかの存在のあること)'とは、無の反対であり、無の否定です。つまり、無になにかを足し合わせることが有という観念となります。 逆に、無(=なんらの存在もないこと)とは、有の反対であり、有の否定です。つまり、有からなにかを差し引いていることが無という観念とな…