スロー日記 『火垂るの墓』を初めて観た時、 胸の奥に重たい石が落ちたような感覚があった。 空腹を紛らわせるために水をすする節子。 必死に食べ物を探し回る清太。 あの物語は、 戦争の悲劇を描いた映画であると同時に、 「生きるとは何か?」 という問いを観る者に突きつけてくる。 あの時代の「生きる意味」。 それは、とてもシンプルだった。 生き延びること。 大切な人を守ること。 それ以上でも、それ以下でもない。 けれど、 現代に生きる僕たちはどうだろう? SNSを開けば、 「人生はもっと意味あることに使うべきだ」 といった言葉があふれる。 自己啓発本は、 「夢を持て」 「社会に貢献せよ」 と背中を押し…