ソマカとリトヴィク(劇詩) ソマカ王は幽霊戦車に乗って天国へ急ぐ途中、路傍に他の幽霊団を見る。そのなかに嘗てリトヴィク王室の高僧であったリトヴィクがいる。 声王様、何處へお出でになりますか。 ソマカ誰の声か。濁った空気が目を押しつぶすようで何も見えない。 声下りてください王様よ、天国行きの戦車から下りてください。 ソマカお前は誰じゃ。 声リトヴィクでございます。娑婆にいた時あなたの師伝を勤め、お家の僧侶長でもありました。 ソマカ師匠、世界中の涙が靄になって、この「茫漠」の国を作っているようだ。どうしてお前はここに来たか。 幽霊達この地獄は天国への道近くだが、微かな火が天国にちらつくのみで、到底…