第142話 入国拒否のリリーさん。 ツアーバスはまだ日の残る、夕方のカオサンロードに戻ってきた。 僕らは挨拶を交わして、それぞれに散っていった。 僕はその足で、例の日本人ツアー会社に向かっていた。もちろん文句を言う為にだ!! …というのは冗談で、実はこれからの予定を、車中で、景色を見ながら決めていたのだ。 都会のハイウェイを走りながら僕は、そろそろ田舎にいく事に決めていた。その事を相談する為に店長さんの元へと急いでいたのだ。 カオサンからしばらく歩き、今日のスタート地点であった、ツアー会社に戻って来た。 窓口には、例の日本人店長さんがいて、僕をみるなり立ち上がって、謝って来た。 「もっ! 申し…