『遠出』今日みたいな暖かいのどかな日は──どこかへ足を延ばしてみたくなる。春らしい新たな出会いを求めて。これまで待っていた気持ちのいい日差しを求めて。そして──陽気のせいで沸き起こる何かいいことがありそうな予感につられて。その時、私の理性はこういう出来事のオチは青い鳥は家にいたということになりそうだと告げていたが──なんとなく気が付いていてもなおうららかな季節は人の心を動かしどこかへ運んでいく力がある。少し歩くだけでもこの季節をずっと待っていた者たちの明るい声がする。花が開く眺めはどこにでも見つかる。寄り道をすれば春の新作スイーツなどの情報があり人が行く道のどこにでも明るい未来が広がっていると…