やさしいは、かっこいい 父一人子一人になった。 クリスマスイブは娘と2人。 僕は寂しさを紛らわそうと、大きなツリーを買い、イルミネーションで部屋中をキラキラに装飾した。 娘はチキンとケーキをお腹いっぱい食べて、 サンタさんからのプレゼントを楽しみに眠りについた。 時計が午後11時を回った頃だった。 酒を飲んでいると、インターホンのチャイムが鳴った。 玄関には、8月の花火大会の日にウクライナ人を連れてきた「あの男」が立っていた。 男は、サンタクロースの格好をしていた。 仕事を終え、娘にプレゼントを届けに来てくれたのだ。 生まれ故郷の同級生、松尾陽一。 あんたって人は。 本当に・・・。 やさしいは…