その日。 私は今はもうどこにもない母方の祖父母が住んでいた平屋の仏壇のある広い畳部屋で寝そべって天井を見ながら、訪れたことのない砂漠について考えていると、人一人分くらいの間隔をあけたそこにも誰かが寝そべっていることがわかった、誰かがいるとわかってそれからの私がすぐに考えたのは、その寝そべっている人は私と血がつながっているのだろうかということだった、私は血がつながっていないほうがいい、どこの誰だか知らないけれど、どうか私と血がつながっていないでくれ!と強く願うのは、血縁というものに縋り、それをむやみやたらとありがたがるすべての事柄は形のあるなしにかかわらず、この世のあらゆるもののなかで最もくだら…