夏休み前に、短大の国文科への推薦希望者は、作文の模擬テストを受ける事になった。私は作文は得意だったので、気軽な気持ちで作文を書いた。 その作文が、ものすごくほめられた。評価のところに、「エッセイ風のこの文体は、とても高校生の書いたものとは思えない。清少納言が現代に来て書いたようだ」とまで書かれていた。(さくらももこ『ひとりずもう』集英社文庫、2019) こんにちは。もしもその模擬テストを採点した先生がさくらももこさんをほめなかったら、もしも三島由紀夫の初等科2年生のときの担任の先生が三島の綴り方をほめなかったら、もしも朝井リョウさんの小学6年生のときの担任の先生が朝井さんの作文に何の興味も示し…