大塚英志氏が提唱した概念。「キャラクター小説(≒ライトノベル)」はこの「まんが・アニメ的リアリズム」にのっとって書かれている(あるいは書かれるべきである)という。
屈託なく「『ルパン三世』のような小説」と新井素子が口にした瞬間、この国の小説にアニメやまんが的な、いうなれば自然主義的伝統と異なるリアリズムが小説に持ち込まれたわけです。
このように「私小説」における「私」の替わりに「キャラクター」を、そして自然主義的リアリズムの替わりにアニメ・まんが的リアリズムを採用した小説をキャラクター小説と呼びます。
大塚英志「物語の体操」(単行本版、2000年) 206ページ
仮構しか描けない、と自覚することをもって、初めて描き得る「現実」があるのです。
大塚英志「キャラクター小説の作り方」(新書版、2003年) 304ページ
いわゆる「ライトノベル」とほぼ同義語。大塚氏は、商業的観点で見られがちな「ライトノベル」という用語を避け、内容を端的に表わすとして意識的に「キャラクター小説」という用語を使っている。
大塚氏は本によって「アニメ・まんが的リアリズム」「まんが的な非リアリズム」など色々な呼び方をしている。これを「まんが・アニメ的リアリズム」と固定して呼んだのは、むしろこの概念をしばしば引用する東浩紀氏である。
物語の体操―みるみる小説が書ける6つのレッスン (朝日文庫)