前回の「あま」と「あめ」を考察しましたが、それに関連する重要語句として、「かも」そして「あも」の用例を考えます。 「かも」は、鳥の「鴨」や(鴨の泳ぎから発案された)「鴨船」を意味する用例の他に、「天地/天下/上下:陰陽/夫婦」を意味する使い方があります。 『沖つ鳥 カモを治むる 君ならで 世の事々を えやは防がん』ホ26『かみしも恵む 神となる 国の名もこれ 「カ」は上の 遍く照らす 「モ」 は下の 青人草を 恵まんと』ホ38 26アヤのウタは、家出していたトヨタマ姫がウツキネ(ホホデミ/山幸彦)の元に戻った時のウタで、「カモ」は姫の出自である六船魂一族とともに「天下」を意味しています。夫婦と…