映画は暗闇の世界で観るプラネタリウム。テレビではキラキラ光るキャラクターも映画では途端に味気なくなる。ちょっと救いようのない人物たちにこそシネマの神様は微笑む。スクリーンは金幕ではなく銀幕。映画は金閣寺ではなく銀閣寺。映画界にはメッキの金閣もあるが、本物の銀閣が『めためた』である。 3組の男女の群像劇。主人公は二股生活を送るスランプに陥った作家。婚約者の彼氏を連れて帰省すると母親が若い男と結婚するサプライズが待っていた女。妊活に励むが旦那に子種がないと発覚する夫婦。 この映画は登場人物のバックボーンは描かず、風景のみがプロフィールとなる。目の前に起こる出来事にどんなリアクションをとるか、その「…