先日、友人と好きだった絵本の話になり、わたしは『めっきらもっきら どおん どん』を挙げた。話していると懐かしくなり、読み直してみた。そして確信した。自分の中で、この絵本は異世界トリップものの原点にして頂点であると。テンポのよさ、魅力のあるキャラクター、ほんのりと寂しさを誘うラスト。短い話の中に、真似したいと思う点が次々と見つかる。 まず、テンポのよさである。この絵本は、(起)異世界へ行く→(承)3体の妖怪と出会う→(転・結)現実世界へ帰ってくる といった話なのだが、驚いたのは「起」にあたる部分の短さだ。物語をつくるとき、「起」の前の部分を考えすぎなのかもしれない、と気づかされた。「起」が起こる…