時おり江戸時代の長屋暮らしをしている人々を題材にした小説を読むことがあります。 落語に出てくる「ハッつぁん、クマさん」の世界で繰り広げられるようなドタバタ劇は、布団に入ってから眠りにつくまでの、ゆったりと心落ち着かせる時間をもたらしてくれます。 火事と喧嘩は江戸の華というように、木造作りの家屋が立ち並ぶ街では、頻繁に火事が起きていたようです。 武家屋敷はともかく、九尺二間の長屋では最低限暮らすだけのモノしか置いていませんでしたから、火事が起きれば身一つで非難することができます。 宵越しの金を持たずに、金がなくなれば稼げばよいといった町民がたくさんいたようです。 モノを持たなければ気楽な生活を送…