何を得て何を失い そしてまた わたしは何を手に入れたんだろう 茫洋とした記憶の中を 懸命に探り 手を伸ばしてみても 触れられるものは何もなく だけれどもあなたの あなたの笑顔だけが近くに揺らいでいて 間違ったことをしてきたのかな 誰かの涙の上に わたしはいるのかな もうかなしい顔を見るのは 充分に体験してきた気がするの かなしい結末を あなたはどうして微笑んでいるの わたしが怖くないのかな わたしがわたしがわたしわたし (姫) それはわたしなのかな 姫のわたし…… 「おう、じ」 霧のかかった頭の中から その一言が急に浮かんだ やわらかく笑うあなた わたしの王子 わたしの最愛の王子 「王子!」 …