床井くんは、六年生のクラスがえで、最初にとなりの席になった男の子だった。 ・・・ 「さんけた?」 「みけたです。三ケ田暦(みけたこよみ」 「みけたか! じゃあミケだなっ」 なにそれ、猫みたい。でも、男の子からニックネームで呼ばれたのははじめてだった。じわじわうれしくなってきて、暦はどういう顔をしたらいいのかわからない。 ゆかいな床井くん/戸森しるこ 作/講談社 ふつう、どの学校のどのクラスにもいるごくふつうのちょっと面白い子と、背が高く親が双子というくらいで同じようにふつうの女の子と、ふつうのクラスメートと、だれもが経験してきたような小学生のごくふつうの日常が、温かい視線で描かれています。 児…