神谷美恵子「こころの旅」の読書は今回が最後です。第十章「旅の終わり」は、断章を並べたような構成になっています。当たり前ですが、この「旅のおわり」だけは、著者も全く未経験の領域ですから、すらすらと起承転結のようには書けなかったのかもしれません。そんな中で私の印象に残ったのが、何度か繰り返して語られる「生きるよろこび」などという表現です。「生きるよろこび」は、私が卒業した小学校の校歌の歌詞に出てきますので、6歳児のころからお馴染み。そして「アンパンマンのマーチ」。そうだ、うれしいんだ、生きるよろこび。生老病死の四苦の締めに挙げられる死ですが、著者は次のように、これにとらわれて最後のひとときを苦しみ…