アキ・カウリスマキ。 フィンランドの映画監督。 兄のミカ・カウリスマキも映画監督。 若い頃にはペンネームをいくつも使って映画雑誌を作り、ゴダール論などを書いていたらしい。
写真は『過去のない男』2002年カンヌ国際映画祭グランプリ受賞時のもの。
カッティ・オウティネン(2002年カンヌ主演女優賞) マッティ・ペロンパー(トリュフォー:レオー=カウリスマキ:ペロンパー) マルック・ペルトラ(ペロンパー亡き後のカウリスマキ映画の要) ら、カウリスマキ組の怪優たちのキーワードもつくろう!
★★★★☆ あらすじ 炭鉱が閉山して失業した男は、父親から貰った車に乗り込み、南へ向かう。 www.youtube.com 「労働者三部作」の第2作目。原題は「Ariel」。フィンランド映画。73分。 感想 失業した男がたどり着いた町で起こす騒動を描く物語だ。予期せぬ出来事に遭遇したりトラブルに巻き込まれても、主人公が表情を変えずに淡々としているのが面白い。オープンカーの屋根が閉まらず、雪景色の中をオープントップで車を走らせるシーンは可笑しみがあった。 とぼけた雰囲気のコメディーみたいな体裁になっているが、よく考えると主人公はあまり笑えない状況にいる。失業して年老いた父親は自殺するし、新天地に…
ユーロスペース渋谷にて、カウリスマキ作品を といっても、監督をしているわけではなく、彼が地元フィンランドのカルッキラという小さな町にミニシアターを作る過程を描いたドキュメンタリー カウリスマキ監督の仲間たちや、その暮らしぶり、そして町の様子などがよくわかる、ファンにとっては感涙モノ 引退を撤回して復帰した「枯れ葉」のあと、いったいどんな作品を作るのか気になっていたけれど、こういう形で楽しませてくれるとは思わなかった ユーロスペースのロビーでは、手作り感溢れるキノ・ライカの展示も ↓ 久しぶりに、パンフレットまで購入してしまった かつて鉄鋼の町として栄えたカルッキラも、今では美しい森と湖、そして…
★★★★☆ あらすじ 失業して絶望するも自殺に失敗した男は、自分を殺してもらおうと殺し屋を雇う。79分。 www.youtube.com 原題は「I Hired a Contract Killer」。79分。 感想 自殺に失敗し、殺し屋に自分を殺してくれるよう依頼した男が主人公だ。殺し屋を待っている間に恋に落ちてしまい、今度は死にたくないと慌てだす。滑稽ではあるが、もう死ぬしかないと思った次の日に、生きてて良かったと思えることが起きるのが人生だ。可笑しいながらもしみじみとしてしまう。 主人公も自殺に失敗したが、死にたいと思っても案外と死ぬのは難しい。そのための道具や設備が整っている必要があるし…
引用元:yahoo.co.jp 本作に登場するバンド「レニングラード・カウボーイズ」は、フィンランドに実在する「スリーピー・スリーパーズ」というバンドが、カウリスマキ監督のアイディアで映画出演 本作公開後は、作品のヒットもあって、この名前でも活動を続けることになる ツンドラのとある極寒の田舎町から誕生したバンド、メンバーは極端に長いリーゼントと、先の尖った靴が印象的ながらも、音楽的な魅力に乏しく、マネージャーのウラジミール(マッティ・ペロンパー)は頭を抱えていた この日も売り込みに失敗したものの、「ここでは成功しないけれど、俺のいとこがニューヨークに居るから、そこでなら成功するかも」と都合の良…
カウリスマキとジャームッシュ、皆みてる? 映画好きならその輝かしいフィフモブラフィーを眺めるだけで、 大好物として白米をたいらげれるといった、絶対の信頼感を寄せているという人も多いはず。そして、寝食を忘れて没頭してしまうほど、監督作品を制覇したくなるタイプの作品を制作し続けている。必見作連発の映画作家として筆頭に挙がる両雄。なんとなく同じ匂いがするということで、今回はまとめて紹介したい【永久保存版】。 目次 【アキ・カウリスマキvsジム・ジャームッシュ】価値観の形成について 【アキ・カウリスマキvsジム・ジャームッシュ】2人の違いと共通点について 【アキ・カウリスマキvsジム・ジャームッシュ】…
アキ・カウリスマキ監督(1957-)のシリーズは、庶民の視点で不況による失業からの回復や不器用で素朴な恋愛コメディをテーマにしています。 言葉ひとつひとつや態度に余計なやり取りは見られず綿密に構成されている様子で、庶民生活のどこかにありそうなシーンもあれば、映画ならではのシュールな内容も盛り込まれています。間をとる空気は絶妙で要所要所で小さな笑いを誘います。不況といっても物質面で決して貧相なものばかりでなく、使われている衣類や家具、小物は上品で珍しいものもあります。 シアター内から上映年の時代背景やフィンランド文化を垣間見ることが出来ます。バーで飲んでいるシーンが度々ありますが、そこで流れてい…
引用元:filmarks.com タイトルから、成瀬巳喜男の「浮雲」を連想させるけれど、こちらはフィンランド映画 原題は「Kauas pilvet karkaavat」(グーグル翻訳によれば「遥か彼方に流れる雲」) 大好きなアキ・カウリスマキ監督の「フィンランド敗者三部作」の第一弾 ちなみに第二弾は「過去のない男」、第三弾は「街のあかり」 敗者の背景を少しまじめにまとめておくと フィンランドは、今でこそ世界幸福度ランキングのトップに輝く国ではあるけれど、90年代に厳しい不況を経験した 80年代はその前のバブルの様な状況で、金融自由化による景気の上昇が続き、GDPは1990年にピークに達する そ…
引用元:amazon.co.jp みんなから嫌われ、ひとりロンドンにやって来たフランス人のアンリ(ジャン=ピエール・レオ)は、水道局で15年間真面目に働いてきた ところが、彼の職場は民営化されることになり、人員整理の為にクビを言い渡されてしまう どうやら解雇は外国人からということらしく、即日解雇の通知書にサインさせられ、これまでの貢献のお礼にと、金(色の)腕時計を受け取る 絶望したアンリは、帰宅途中にロープを買い、アパートの部屋で首を吊ろうとするも、またガス栓をひねってみるも、死ぬことが出来ない 困った彼は、ギャングの元を訪ね「彼自身の殺害を依頼」する サスペンスでも、コメディでもありながら、…
駄洒落を言っているわけではないが、最近WOWOWでアキ・カウリスマキ監督作品の特集があった。なかなか集中して映画を観ることができない僕であるが、彼の作品なら観たいと思った。 放映されたのは、「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」(1989)、「マッチ工場の少女」(1990)、「コントラクト・キラー」(1990)、「浮き雲」(1996)、「過去のない男」(2002)、「枯れ葉」(2023)の6作品だ。僕は「過去のない男」は観たことがあるが、あとは観てなかった。 彼の作品はどれも短いからどれから観てもいいが、まずは短い(79分)「コントラクト・キラー」からにした。 ~ロンドンで暮らす孤独…
★★★☆☆ あらすじ マッチ工場に勤めて両親を養う少女は、ある夜に出会った男と一夜を共にする。 www.youtube.com 労働者三部作の第3作目。フィンランド映画。69分。 感想 主人公は、マッチ工場に勤める少女だ。冒頭に、一本の丸太から大量のマッチが出来上がっていく過程が映し出される。こんな風に作られているのかと興味深かったが、それと同時に大量消費社会の便利さと味気なさ、その功罪を感じてしまう映像だった。 家庭用マッチ 並型 12P 桃印 兼松サステック 兼松サステック(Kanematsu Sustech) Amazon そんな工場の歯車の一つとして単純作業をくり返している主人公は、家…