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アタナシウス・キルヒャー

(サイエンス)
あたなしうすきるひゃあ

1602〜1680、ドイツ(ザクセン・ワイマール大公国)。イエズス会の修道士であると同時に、(古来多くの宗教者が卓越した科学者や博物学者であったように)、知らべれば知らべるほどキルヒャーほどケタ違いに凄いオールマイティーな万能学者は在なかったことが判明する。――でありながら、「なぜ公の教科書に載らないか?」といえば、おどろおどろしい神秘学や錬金術・魔術にまで通じていたためで、それが今日であればこそ人類学などの学問領域で了解されるが、未開の時代には徒らに恐れ遠ざけられるものでしかなかった故だ。だが、シャンポリオン以前のエジプト学に最も通じた一人であるし、ピュタゴラス以来の音楽理論の刷新者であるし、カメラの原型や、映画の原型まで発明・設計している。あるいは外遊を許されず、各レポーターの編集長役が任じられたために、殆ど“逆ギレ”で各資料に精通しまくり、近世に早くも中国学まで勘案している。また、キルヒャーの特徴的な所は、あらゆる概念・要素を“図化”しようと切磋琢磨した点にあり、イコン〜デザインを考える上で彼のもとを訪ねぬならば、そんなものはニセモノである。歴史は残酷で勝組のみ名を残せるからニュートンやデカルトが後代には知られたが、水面下の力量まで精確に評価するなら、キルヒャーはダ・ヴィンチと双璧かも知れない。(そのデカルトはキルヒャーの噂を聞きつけて自ら友好を願う手紙を送った程だ。)つまり200〜300年、早かったのだ。

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