中のテーブルが空いていなくてテラス席に着いたけど、外気にさらされながらクリームソーダを食べるにはたぶん2か月早い。でも2か月後、このお店はもうない。 朝出かけるときにはちょうどよかったはずの半袖からはみ出た腕を夜風がどんどん冷やしていく。頬がつっぱるような感じがして指でこすったけれど、さっきの映画で泣いたなんて思われたくないな。 お目当ての映画のチケットが早々に売り切れてしまって、正直妥協して選んだ作品ではあったけど、ここの締めくくりにはもう少し満足のいくものを観たかったなんて思うのは失礼だよね。でも「いまいちだったね」と話しながら、最後のアップリンクの時間を過ごす。 「子どものころは渋谷って…