今日は、スペインを代表する映画監督カルロス・サウラの遺作となった『情熱の王国』についてご紹介します。この作品は、メキシコを舞台にしたミュージカル劇の制作過程を描いたドラマで、サウラ監督の最後の作品として特別な意味を持っています。 『情熱の王国』は、舞台演出家マヌエルが次回作として考えているミュージカルの制作過程を描いています。振付師の元妻サラに助けを求め、キャスティングからリハーサル、完成までの一部始終が描かれます。サラは交通事故で車椅子に乗る登場人物を演じ、若者たちはオーディションで競争心を燃やし、やがて3人の男女が頭角を現します。その中の1人であるイネスは、父親と地元ギャングとの対立を心配…