バグダードのフランケンシュタイン (集英社文芸単行本) 作者:アフマド・サアダーウィー 集英社 Amazon ★★★★ 2005年のバグダード。米軍が駐留する同地では連日爆破テロが起きていた。そんななか、古物商のハーディーが遺体を継ぎ接ぎして『フランケンシュタイン』に出てくるような怪物を作る。そして、その怪物が各地で人を殺して回るようになるのだった。関係者は彼のことを「名無しさん」と呼ぶようになる。 俺は、哀れな人々が冀う声への応答である。俺は、救世主だ。ある意味では、ひたすら待ち望まれてきた者が俺だ。(p.177) 出版社は本作をエンタメとして宣伝しているけれど、これは普通に文芸ものではなか…