アメリカ合衆国での成功、またはそれを望む気持ち。均等に与えられる機会を活かし、勤勉と努力によって勝ち取ることの出来るものとされ、その根源は独立宣言書に記された幸福追求の権利に拠る。
アメリカが自由と平等の国で、民族、出自に関係なく成功できるとされていること、またアメリカで実際に大成功を収めている人が少なからずいることから生まれた概念。
18世紀のアメリカ黎明期においては、ヨーロッパに比べ、出自や身分が決定的な役割を果たすことが少なかった。
黄金郷の探索や豊富な地下資源のもたらす巨万の富など、志を抱き、情熱を燃やした多数の人間がヨーロッパから新大陸へと渡ってくる原動力となった。「アメリカン・ドリーム」という言葉は、そんな彼らの荒唐無稽で不遜な夢を奨励し、鼓舞し続けたという。
こういった概念が浸透していたのにも関らず、実際の19世紀・20世紀には矛盾があった。白人の夢を体現させるために、「インディアン強制移住法」や「ドーズ法」などによって、様々な権利や財産を奪い取られたインディアンが存在していたし、肌の色が違うという理由だけで、そのような夢を見る権利すら奪われ、疎外された黒人たちの存在があった。