映画レビュー なぜアメリカン・ニューシネマが人生を変えるのか?なぜ映画史上、最高密度なのか。『スケアクロウ』を観れば、その理由がわかる。 暴力でしか自分を防衛できないマックス(ジーン・ハックマン)、人を笑わせる“フリ“でしか存在を確かめられないライオン(アル・パチーノ)。カラスを追い払うカカシと、カラスを笑わせるカカシ。どちらもカカシの表情は同じ。カカシは自由の女神である。 マックスはカーウォッシュの仕事を始めようとする。車はアメリカの象徴であり、この国は汚れている。マックスは自らの人生を洗い直そうとするが、カカシにアメリカン・ドリームは掴めない。カカシの表情が変わらないように、マックスもライ…