先々週くらいに読んだ柴田勝家『アメリカン・ブッダ』があまりに面白かったので、ご紹介(ネタバレあり!!!)。 表題作『アメリカン・ブッダ』は、SFとアニミズムと混交した仏教を掛け算した意表をつく短編。 未曽有の大災害の後、多くの人が現実世界を捨て、形而上のアメリカ大陸、Mアメリカに逃げ込んだ。Mアメリカでは、死はなく、病気や、出産もない。実際の生から遠く離れた仮想世界に人々は浸りきり、退屈しきっていた。そんな世界に、現実のアメリカ大陸から、仏教を信仰するインディアンの青年の声が届く。 だから僕は大地に残ったインディアンを代表して、貴方たちに呼びかける。 あの”大洪水”は去った。貴方たちは帰ってき…