日本での公開当時(2014年)、映画館でポスターを見て、ゲイのカップルが母親からニグレクトされているダウン症の子供を引き取って暮らすという、ハートウォーミングでちょっとコメディ要素のあるお話だと思っていた。私の中では勝手に「トーチソング・トリロジー」的なテイストなんだろうと思い込み、観たいなあと思っていた作品だ。その程度の情報で観始めたわけだけれど、”ハートウォーミング”という言葉でまとまるほど、甘い話ではなかった。 1970年代当時、性的マイノリティ(LGBTQ)について世間では理解も受容もされておらず、同性愛者へのあからさまな偏見は今からすると信じられないほど厳しい。 ドラッグ中毒の母親に…