雨季まっただ中の土曜日の夜である。香港の気温は18℃。湿度は96%もある。そういえば、もう1か月ほど太陽を見ていない。うちの洗濯物は乾燥機で乾かすのだが、それでも、やっぱり衣服が心もちカビ臭くなる。スーツも湿っていて、粉が吹くと大変なので、エアコンを除湿モードにして過ごしている。 そんなジメジメした夜、スターチャンネルのクラウド録画表を見ていたら、〝祈りのちから〟という映画があったので見てみた。これがもう、今の自分にドンぴしゃりんこな映画で、「これって、赦しそのものじゃん!」と、瞬殺で僕の心を鷲掴みにしてしまった。不動産業界で働く黒人女性のエリザベスは、製薬会社のトップセールスマンの夫トニーと…