異国の地で一夏を送る外国人のために異国の建築家が建てた聖パウロカトリック教会は、堀辰雄が訪れた頃は避暑地としてはすでに定着していた軽井沢の風土の中でもまだ真新しく珍しい、それこそ日本人には馴染みの薄い異国の宗教徒の祈りの場として近寄りがたい感じが漂っていたかもしれないものの、およそ90年の時を経た現在では、すっかり高原のリゾート地のシンボルとして扱われ、むしろ古くて静かな日本の美の一端を今日において体現しているようにさえぼくにはおもわれた。…… そんな教会へと赴く前、約10年振りの軽井沢に浮かれながらフーガの径を歩いたぼくは、これまた10年振りの、その年(2025)の夏頃にようやっと3年振りく…