蛇の言葉を話した男 作者:アンドルス・キヴィラフク 河出書房新社 Amazon ★★★★ エストニア。レーメットは森で母親と姉の3人で暮らしていた。森ではおじさんから蛇の言葉を教えてもらう。森の近くには村があり、その村は外国から来たキリスト教の影響下にあった。森では肉を食べるのに対し、村ではパンを食べている。レーメットの隣人たちは次々と村に移り住み、キリスト教に改宗して農耕生活を送るのだった。森には今や少数しか人が住んでおらず、蛇の言葉を知る者は絶滅の危機に瀕している。 「司祭ヨハネスさん、ぼくは今まで森の中で暮らしてきたから言える。森の精霊なんてものは存在しない。恐れなければならないのは森の…