初めて期待を込めてヴェルサイユに行った時、煌びやか過ぎる室内と、広大過ぎる庭園があまりに自分とかけ離れ、まるで共感できませんでした。一つひとつを切り取って丁寧に見ていくと、その時代の優れた装飾や調度品なのはわかるのだけど、ここにはこれでもか!これでもか!と強制的に見せられているような気がしてしまい、バロック、ロココの洪水に巻き込まれ溺れた様な錯覚に囚われてしまいました。そして、ここはいったい何のために作られたのかと、一気に我に返るのです。 ヴェルサイユ宮殿は国王ルイ14世の嫉妬をきっかけに優秀な建築家、室内装飾家、造園家によって生まれました。建築家のルイ・ル・ヴォー、室内装飾家のシャルル・ル・…