ついに。 ついに、 ついに! ついに!! ついにこの日がやって来た。 令和四年二月二十五日、『エルデンリング』の発売日である。 本日ただいまより暫くの間、私は音信不通になるだろう。エルデの王となるために、持てる力のありったけを注ぎたいのだ。脇目もふらさず没頭したい、それに値する作品と疑いもなく信じているから。 ああもう辛抱たまらない。本当に待っていたんだよこの時を。今すぐにでも狭間の地に我が血痕を印したい。十九世紀――パックス・ブリタニカの下で、世界(大英)帝国の若き俊才、アーネスト・ベネットはいみじくも語った。「猟犬を使ってネズミを殺すとき、賞金付きの拳闘に見入るとき、針にかかったサケを泳が…